今週からスタート【今週の1点】第1回目は、山本丘人「寒の花」
2012.12.20
これからこのコラムでは毎週、現在展示中の作品を皆様にご紹介していきます。展示中の作品ですので、このコラムを読んで興味を持たれた方は、是非会場に足を運んで実物を見にいらしてください。
今回紹介する一作は、山本丘人による赤い寒椿を描いた「寒の花」、五山会第7回展での出品作です。
昭和63年より孔雀画廊にて杉山寧、高山辰雄、東山魁夷、西山英雄、山本丘人の五人の作家による「五山会」が開かれました(最終第8回展)。「五山会」の名前の由来は、この五人の名前に「山」の文字が入っていることからつけられています。
「寒椿の花にリズムを整えて画くことにする。葉の黒に対して燃える紅い花の曲。」(文・山本丘人)
赤い花弁が並んで咲いている様子は平然としていて作為がなく、花芯を愛しむように花びらを包み上げるその風姿には、何気ないようでいて朝露に濡れた潤いが感じられます。シンプルですが深みのある非常に丘人らしい花の名品となっています。