開催中の企画展
- 2024年11月14日(木)~2025年3月12日(水)
山本丘人の世界
Ⅰ.幻の花の咲くころ
Ⅱ.造形をこえて-海・山のある風景-
2023年から新たにはじまった冬季の特別展の山本丘人展です。2回目となる本展では、当館の170点に及ぶ丘人コレクションの中から、中期の力強い造形性の《満月夜》や、丘人の風景画の集大成ともいえる《季節風》など海山を描いた気韻のある作品と、後期の《地上風韻》の優美な詩情あふれる心象風景の花の作品を中心に、およそ50点を二部構成で展示します。
*丘人の命日である2月10日は無料観覧日となります。
Kyūjin Yamamoto 1900~1986東京下谷に生まれ、神奈川県で歿。東京美術学校卒業後、松岡映丘主宰の木之華社に入門。帝展、文展に出品する傍ら、杉山寧ら映丘門下の若手らと結成した瑠爽画社に出品。1948年閉鎖的で封建的なそれまでの日本画壇の在り方に一石を投じ、上村松篁、吉岡堅二らとともに創造美術(現・創画会の前身)を結成。終生同会の中心的メンバーとして活躍し、戦後の日本画革新運動を牽引した。初期は清新でモダンな大和絵風だが、戦後は一転、近代的な造形感覚を反映させた剛毅な作風を展開、晩年は柔和な筆致で優雅な抒情性あふれる心象風景を築き上げた。1977年文化勲章受章。
吉田多最展 万古不易-U.S.A.サンフランシスコ天平山禅堂客殿ふすま絵公開-
吉田多最(号・舟汪)が3年半かけて完成させた米国・天平山禅堂客殿ふすま絵を展示します。伊豆のさまざまな松をモチーフに、竜神や日輪など命の有り様を表現した全長22メートル(16面)に及ぶ本ふすま絵は、画家畢生の大作です。奉納前の貴重な公開です。あわせて当館収蔵の代表作や近作も展示します。
Tamotsu Yoshida(号・舟汪 Shuo)1947~神奈川県横須賀市に生まれる。武蔵野美術大学日本画専攻卒業。加倉井和夫に師事。大学卒業後は日展に出品し、87年日展特選、日春展奨励賞、89年日春賞など受賞を重ねる。98年に日展を退会し、その後は無所属。文化庁現代美術選抜展、山種美術館賞展等にも出品。2006年高野山龍泉院作品収蔵。2014年サンフランシスコ曹洞宗天平山禅堂東室客殿襖絵《松龍図》奉納披露展(髙島屋、横須賀市美術館巡回)。鋭敏な感性によってとらえた様々な命のかたちを繊細に表現。自然界の息吹に共鳴するような深遠で奥深い静寂な気品漂う作風で知られる。古希を機に雅号を舟汪とした。
収蔵名作展 日本画の煌めき
季節の花を描いた大作と中国の古都を描いた作品を中心に、当館コレクションの代表的な作品を精選して展示します。森田曠平、堀 文子、加倉井和夫、毛利武彦、加山又造、牧 進、田渕俊夫、平松礼二、吉田多最、前本利彦、牛尾 武ほか。